すいません、ひとまず終わっちゃいました。
前回、郡山と福島でマンションを見に行った話を書いたが、そのとき相手をしてくれた不動産会社から、ほどなく別の中古マンションの紹介があった。数日後に見に行って、ほぼ即決だった。売りに出たばかりの物件で、さすがにレインズ(業者向けの物件データベース)には載ったと思うが、ネットには載る前だったらしい。おそらく、いま福島県内の中古市場はこのくらいのスピードで売買が行われているんだろう。
私としてはこんなに早く買わなくてもよかったし、そもそも一軒家志望だったのに、なんかおかしいな、と思わないでもないが、不動産との出会いはお見合いみたいなもの。直観とタイミングが大事なのだ。
思えば、20代後半で実家を出てからこれまで、賃貸を含めて7回ほど引っ越しをしているが、どの場所も物件も、決めるまでにさほど長々と迷った記憶がない。他にほとんど選択の余地がないというケースもあったが、それでも後から「失敗した~」という悲しい気持ちになったことがないのは幸せである(認知バイアスも働いてると思うけど)。
今回も、もちろんパーフェクトではなかったけれども、物理的条件10のうち8.5くらい充足していただけでなく、前のオーナーさんがとてもいい人だったこと、それから他の住人さんたちが仲良くやっていて管理組合がきちんと機能しているらしいことが、決め手であった。区分所有物件は、建物を共有する相手を選べないのが難点だけれども、中古なら予め住民の「質」をある程度見ることができるから、大事なチェックポイントである。
さて、なぜ福島(市)または郡山に家がほしかったかというと、第一には東京の親になにかあったとき新幹線に飛び乗るのに便利だからだが、それだけではない。阿武隈山地を越えて浜通り(海)に出るのにも比較的アクセスがいいからだ。原発事故のおかげでまだ人が住めない浜通りの避難区域も、いま私が手伝っている自治体を含めて、これから次第に避難指示が解除されるだろう。復興はその後が本番だ。その過程でなんだか面白いこともたくさんありそうだし、オリンピックも絡んで東京圏との人の往来もおそらく増えるだろうし、その合間に私が役に立つこともありそうだし…。というかなりファジーな見通しなんだけれども、とりあえず、東京にも浜にも便がよいこの辺りに拠点を構えてみることにしたわけである。適度に都会で便利、かつ窓からは写真のとおり山並みが見えて、「ここは東京じゃないぞ」とリマインドしてくれるのもいい。
しかし、あくまでも「とりあえず」。実は一軒家がよかった理由は犬が飼いたかったから。いまどきは小型犬が飼えるマンションも少なくないが、今回の物件はNGなのだ。それだけは残念なので、犬が飼い始められる年齢までに(実はそんなに遠くない!?)、もう一度くらい、こんどこそ「一軒家さがし」をするかもなあ…