冬眠したい…

寒いのは大嫌いなので、冬は嫌いだ。できれば3月末くらいまで冬眠していたいのだが、人間と生まれたからにはそうもいかない。それならどうして暖かい東京を去って東北に移住したのか?と言われれば、そりゃホントはもっと温暖なところでも良かったのだが、これもご縁というものだ。(いきさつはプロフィールで簡単に説明してるので、よかったらどうぞ。)

%e6%9d%b1%e4%ba%ac%e9%a7%85%e3%81%ae%e9%9b%aa%e5%83%8f実は福島県というところ、少し移動しただけで天気も気温もけっこう違う。厳寒・豪雪の会津地方はもはや別の国と考えてよいが、新幹線沿いの中通り地方でも、福島市と二本松市と郡山市とでは常に1~2℃、ときには5℃も差がある。それぞれ東京~川崎~横浜くらいしか離れてないのに、である。それも、位置的にはいちばん北の福島市のほうが暖かいのだから面白い。

暖かいといっても、今日の福島市の最低気温はマイナス3℃。東京にいたころは、3℃といったら凍えると思ったが、マイナス3℃を経験すると、ゼロより上は暖かいと感じるのだから人間の身体は順応するものだ。今週末は全国的に寒波だそうだが、福島市の予想はマイナス7℃だって~*o* 私が経験する最低気温更新かもしれない。

気温が低いのはまだしも、このあたりは中途半端に雪が降る。会津地方と違い、積もるといってもせいぜい十数センチの話だけれど、それでも通勤前の車の雪おろしに時間はかかるわ道路は渋滞するわ、勘弁してほしい。日帰りできる距離にスキー場があるという環境は、ウィンタースポーツをする人には天国かもしれないが、私はまったくノーサンキューである。

しかし、嫌だ嫌だと言っていても雪は止められない。せっかく寒い地方に来たのだから逆に積極的に雪を楽しもうと、2シーズンほど前の冬、最も雪深い南会津地方の雪まつりへ行くバスツアーに参加してみたことがある。結論:スキー場でもない普通の町が3メートル超の雪で埋め尽くされ、その中で人々が生活しているという現実を、だれでも一度は生で見るべきである!

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が、一度でいいと思う(笑)。町をあげて雪まつり一生けんめい準備したんだよね、というのは伝わってきたけれど、あの雪と寒さとコンテンツのバランスからして、私にとってまつり会場にいるのは1時間が限界、あとは建物内に用意された休憩所で、帰りのバスまで長々とお茶を飲んで過ごしたのであった。

旅館の入口.JPGやはり私にとっての雪の楽しみ方は、雪かきによるエクササイズ効果期待くらいか。実際、除雪をエクササイズと考えて楽しもうという、日本ジョセササイズ協会なる組織も西会津に存在するのだ!

(写真はすべて、2015年2月に訪れた只見町、雪まつりにて)


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クリスマスだって寂しくないもん

先週後半は二晩連続で忘年会だった。どちらも電車で行き、おかげでいい気分で酔っぱらうことができた。駅から徒歩圏内に引っ越してよかったと思うのはこういうときである。さもなければだれかの車で送迎してもらう段取りをするか、タクシーなり運転代行なりにお金を払わなければならない。ローカル線のダイヤは1時間に1本以下と少々不便ではあるけれど、東京の最終電車のように酔っ払いで満員ということもなく、乗り過ごしさえしなければいたって快適である。

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寝坊した土曜日は、昼からコンタクトレンズを買いにぷらぷらと福島駅ビルへ。普段は食品売り場を除くとかなり人口密度が低いのだが、さすがに師走の週末。華やかなディスプレイが寂しく見えない程度に人がたくさんいて、いい感じである。館内の眼科の待合室は、私と同様レンズ処方箋を書いてもらう客でいっぱいで、家に帰ったらうがいをしなければ!と思うくらいであった。それでも待ち時間は東京で買うときの半分くらいだろうか。

福島市はこの辺のバランスがちょうどいいんである。

人口は28万人ちょっと。この規模だと全国(少なくとも地方ブロック)チェーンの店が出る。例えばスタバ、ユニクロ、無印良品。東京で作ったメンバーズカードがそのまま使えるコンタクトレンズのチェーンもあるし、優待目当てで株を買った総菜チェーンも駅ビルに入っているので、優待券をもらっても無駄にしなくて済む。(このあたりが、人口6万人に届かない二本松市では少々不便だったところだ)

10分で大型スーパーも大型書店も家電量販店もあるし、プラス10分走れば産直で旬の新鮮野菜や手づくり総菜が格安で買える。チェーンのスーパー銭湯もあるが、もうちょっと山の方にいけば本物の温泉が楽しめる。通勤渋滞はしても満員電車はない。人が多すぎず、不便過ぎず、かつ「定番」なイナカ暮らしの良さも味わえて、まことにちょうどいい。

ちなみにこの福島市、県庁所在地にもかかわらず人口ではいわき市と郡山市(ともに34万人前後)の後塵を拝している。郡山市が「県庁を郡山へ」というキャンペーンを張って以来、福島市とは東京と大阪のようなライバル関係にあるのだそうだが、外から見ればまあドングリの背比べである。JR東日本によると、2015年の渋谷駅の1日平均乗客数37万人超だったそうだから、3市とも渋谷駅の雑踏の1日分にも満たないわけだ。しかも渋谷のこの数字はJRだけであって、このほかに東急が45万人、東京メトロ21万人。ダブってカウントされる人数が多いとしても、軽く60万人は越えていそうである。

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まったく、この時期の渋谷なんて、きっとすごいことになっているんだろうなあ。

30代半ばの一時期、渋谷駅から徒歩15分くらいのところに住んでいたことがあって、毎日あの交差点を渡って通勤していた。いわゆるバブルの頃よりはだいぶ後の話だが、それでも夕方からの人混みは尋常でなく、仕事帰りでぐったりした金曜の夜など交差点を前に呆然自失、今日は家までたどり着けないかもしれないと半ば本気で思ったものだ。もうあんな人混みはノーサンキューである。

イナカの人間関係は近すぎて濃すぎて嫌だ、という人がいるが、東京の方がよほど人と人の間の距離は近い。物理的なスペースと心のスペースは反比例するんだろうか。

年末年始は地元・川崎の実家に帰って過ごす。渋谷ほどではなくても、なにやら再開発が進んでいる川崎駅周辺の混雑も大したものだ。めっきり弱って繁華街などへは出歩けなくなった両親に代わり、いろいろ買い物に出なければならなそうだが、あの混雑を思うとまことに気が重い…

(最初の写真:福島駅前のイルミネーションは、郡山駅前と比べて少し控えめ。ま、これもドングリの背比べね。それにしても混雑と無縁で快適。)

(次の写真:福島駅近くのパセオ通りという繁華街。歩行者数的にはまったく繁華してないが、路上に並ぶ代行サービス車の数がこの時期らしい。冬のパセオ通りを盛り上げるため10年前に始まったイルミネーション、電球は街路樹1本につき2000球だそうな。)

 

日帰り温泉利用時の注意

福島はご存じ温泉天国で、私の家から1時間圏内にも飯坂、穴原、高湯、微温湯、岳といいお湯がたくさん出ている。どの温泉地も、ジモティ仕様の公衆浴場は別として、たいていの宿には露天風呂があり、春は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色を眺めながらアツアツのかけ流しを楽しむことができる。

DSC_0523こういうお風呂を、一泊せずとも気軽に日帰りで楽しめるのもいい。日帰り料金は500円から高くても1000円程度。東京ではスーパー銭湯でも1500円くらいすることを考えれば、(ナンセンスな比較なのはわかってるけど)やっぱりお得な感じがする。

ただ、この日帰りの際はちょっとした留意点がひとつ。

内風呂と露天が離れた場所にあり、裸のまま行き来できない造りになってるお宿が結構あるのだ。そういう露天風呂はたいていシャワーもカランもない。つまり洗い場がない。脱衣場にはドライヤーも鏡もないので、洗顔も洗髪も基本的に想定外なのである。

一泊して何回も入るならいいが、日帰りの場合どちらに入るか悩ましいところだ。

先日も、思い立って初めての温泉宿に日帰りしたのだが、よく調べずに入ったら、あらら、その別々タイプだった。前の晩、PCに向かっているうち眠くなりそのままベッドに倒れ込んでしまったので、身体も髪もちゃんと洗いたい。そして、川のせせらぎを聴き紅葉を愛でながら白濁の湯につかる、日本人ならこの露天風呂にも是非とも入らねばならぬ。

しかし、それには内湯の洗い場を使ったあと、いちど服を着て露天に移動しなければならない。うーむ、なんとも面倒だ。

幸いその日は暖かかった。泊り客は帰った後だし、平日昼前から日帰り温泉に来るヒマ人は他にいない。移動距離は15メートルほど…。よし。さすがに裸にバスタオル巻きはマズかろうが、それにほぼ準ずる姿で移動を敢行。無事に両方の目的を達成することができたが、うら若い女性には決しておススメできない所作である。

露天風呂目当てで日帰り温泉を利用するときは、ちゃんと内風呂との接続形態を調べてからにしましょうね。

第二章はじまりました

Life in Fukushima. このタイトルでブログを書き始めてから1年が経った。早いもんだ。

12111956_10207775313770028_7109728344491508631_n (1)福島県に住み始めてからは2年9か月になるが、最初の1年9か月はいわば「お試し移住」期間で、東京にも「帰る家」があった。思うところあってそこを引き払い、荷物をぜんぶ福島に持ってきたのが1年前。その半年後にはマンションも買ってしまった。

買ったというと、「じゃあ福島に永住するんですね」みたいに言われるのだが、私の場合、家を買う=永住するという感覚はまったくない。家とて基本的には他の資産と同じ、事情が変われば貸したり売ったりすればいいものと考えている。しかし、それでもこんなタイトルのブログを書いているということは、福島の生活が気に入ってしばらく住もうと思っているからには違いない。

気に入っている理由はもちろん、山や温泉が近いとか野菜が新鮮で安いとか、まあ定番である。が、それに加えて、原発事故被災という特殊な事情があるこの場所では、わりとわかりやすい形で多少は人の役に立つ仕事がさせてもらえる、という実感があるからだと思う。

この29か月支援してきた自治体での任期が、先月終了した。今月からもパートタイムでお手伝いは続けることになったが、空いた時間で活動範囲をもう少し広げられそうだ。

いま復興・地方創生界隈では、若者をターゲットにソーシャルベンチャー、ローカルベンチャー、なりわいづくり等々、いわゆる脱サラ(古いか)を促すキーワードが渦巻いている。しかし、私のように50の声を聞いてから地方移住を考える場合、20代のような勢いだけで実現するのは厳しい。イナカに雇用がないなら自分で生業を作ればいいのだ!と言われても、世の中そういう才覚と度胸のある人ばかりではなかろう。

実際、もし私に十分な才覚と度胸があったなら、任期終了というこのタイミングで「起業」という選択肢もあるのだろうが、あいにくそういう星の下には生まれなかったのだから仕方ない。当面はパートタイムとフリーランスで、そういう星の下に生まれてがんばっている人々のお手伝いを続けようと思う(もっともフリーだって「事業主」ではあるのだが)それだって大企業のコマとして働いているより、直接的に人の役に立ってる感はなんぼか大きいのだ。

…ということで今月から、半分サラリーマン・半分フリーランス・ちょびっと大家さん、のLife in Fukushima第二章が始まりました。もしかしてこんな話もだれかの参考になるかもしれない、という希望のもと、このブログも不定期更新を続けます。

移住してよかったモーメントのご紹介

今日は日曜日。台風が来るというので家でまったり、と思っていたのに、朝起きたら吾妻山がくっきり見える快晴じゃありませんか。あわてて洗濯機を回し、「こんな天気ならどこか行かなきゃ」モードに。昨日コンビニで見た福島市の広報誌のイベントカレンダーに、浄土平でノルディックウォークっていうのがあったなと思い、しんじ君を駆って磐梯吾妻スカイラインを目指した。

DSC_0404.JPGスカイラインの中間地点、標高1600mにある浄土平。まず名前がいい。生きながら浄土が見られるなんて。湿原の中を縦横に木道が整備されていて、軽装でも簡単に歩ける。向かいの吾妻小富士も一周40分程度で私などにはちょうどいいウォーキングコースだ。もう少し登山ぽいことをしたければ、一切経山という、これもご利益がありそうな山の往復がちょうどよかったのだが、いまは吾妻山の噴火警戒で登れなくなってしまった。

ここには天文台があって、星空ウォッチングの絶好スポットでもあったのだが、こちらも噴火警戒のために夜間の滞在は禁止。なんだか原発避難区域のようである。

さて、お目当てのノルディックウォークは(なぜか)この天文台の主催というので事務所を訪ねたところ、あら、事前申し込みが必要だったらしい(広報誌には先着順としか書いてなかった気がするが…)。しかも、台風だからと事前申込者には中止の案内を出してしまったんだそうである。でもこの好天気、天文台館長さんの計らいで、私が行きたければ催行してくれることになった。なんとラッキー、というか有難い。ガイドさんとマンツーマンで1時間半ほど、初秋の浄土平を満喫した。(写真は桶沼と一切経山)

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そのガイドのWさんはそろそろ後期高齢者というお歳であるが、おひとりで一合目から富士山に登る山男である。そういえば80歳でエベレストに登った人もいたが、かたや79と83で要介護の我が両親を思うと、人間とは生活習慣でこうも違うものかと感慨深い。私もせいぜい足腰は鍛錬しておこう。

福島駅5分の我が家から、この浄土平までは1時間弱でいける(車が高性能ならもっと早いでしょう)。その途中には極上の硫黄泉、高湯温泉があって、浄土平の帰りは日帰り入浴が定番コースだ。朝起きて天気を見極めてから出発しても、十分自然を満喫して夕方までには帰ってこられる。

以上、「地方移住してよかった」モーメントのご紹介でした。