初雪を待ちながら

全国的に冬の到来が遅いという話だが、ここ福島市街も今年の初雪はまだだ。平年は11月26日だそうだから、ずいぶん遅い。今朝も、昨夜の天気予報に反して太陽がまぶしく暖かかった。吾妻連峰はかなり白くなっていたが、山頂まではっきり見える。

なんだ、これなら洗濯機を回そうかしら、と思いながらとりあえずいつものなんちゃってヨガをやり、だらだらブランチを食べていると、あっという間に陽が陰ってきた。ふと見ると、もう吾妻山は見えない。雪雲がみるみる麓に降りてきている。私が春に花摘みのバイトをさせてもらう果樹園のあたりはもう降ってるだろうか。

山と反対側、東の空はまだ明るい。やっぱり海に面した浜通り地方は雪が少なく比較的温暖なのだ。東京と同様、冬タイヤというものを履かずに過ごす人たちも多いと聞くと羨ましいなーと思わなくもないが、浜には温泉が少ないからやっぱり中通りがいいやという結論に達するのである。

先日図書館で、稲垣えみ子さんの「寂しい生活」という本を発見した。その徹底した超節電・超省エネ生活が有名で、ときどきテレビにも出るような方らしい。が、17:00-23:00のNHKしか見ない私は、そこに出てない人を存じ上げない。初めて知るほぼ同い年の独身女性作家さんの生活大変革ストーリーは大変興味深く、ときおり大きく頷きながら面白く読ませてもらった。

私も東京で丸8年、エアコンのついてないマンションに住んだことがあるので、エアコンなしの生活は無問題だ。福島に来てからも夏のエアコンはほぼ使っていない。が、さすがに雪の降る氷点下の東北の冬は、稲垣さんのような湯たんぽと火鉢だけの生活は難しいだろうなあ・・・でも火鉢ってちょっとインテリアとしても素敵かも・・・

などと考えている間に、短い冬の日はすとんと暮れていく。この辺もいよいよ今夜が初雪だろう。

広告

町並みというもの

久しぶりに気仙沼に出張した。4回目だ。ここは宮城県の最北端にあって、岩手県にめり込むような格好になっている。今の仕事がなかったら、おそらく一生岩手県と勘違いしていたかもしれない。

仕事のおかげで気仙沼市と石巻市にはこうして数回ずつ訪れる機会に恵まれ、この夏はさらにその北部の岩手県釜石市にも初めて行く機会をもらった。そのたびに現地のおいしいものを食べ、役得を堪能している。

DSC_0780
▲2年前のクリスマスに初めて訪れたときの気仙沼▲

さて、この釜石と気仙沼と石巻、人口が多い順に並べるとどうなるかご存知ですかな?

気仙沼が岩手県の一部だと思っていた頃の自分であれば、おそらく釜石が一番大きいと答えたような気がする。新日鉄の城下町のイメージがあるからか。実際、関東の友達二人にこの質問をしてみたら、二人とも釜石と答えた。

答えは、釜石の人口3万人台、気仙沼6万人台、石巻14万人台で、石巻がダントツに大きい。ちなみに、我が福島市の人口は29万人で石巻の倍。その前に住んでいた福島県二本松市は5万人台で、気仙沼といい勝負だ。

東京にいた頃は考えたこともなかったが、地方に住み、観光地でない地方を仕事で訪ねるようになって、このぐらいの人口規模なら街の感じは大体こういう感じ、という自分なりのイメージができつつある。スーパーの数とか、病院の大きさとか、コンビニの間隔とか。もちろん地理的その他の条件によっても違うのだけれど、なんとなく公式はある気がする。

そして、何の統計的裏付けもない私の勝手な公式によると、専業化した飲食店が出現するのはおおよそ人口15万からだ(ほんとかよ)。それ以下の場合、ラーメン店を除けば大抵なんでもアリのお好み食堂風業態がほとんど。そうでなければ生き残れないのだろう。

FIGK7557
▲福島市街に最近オープンしたインドネシア料理専門店。どうか繁盛してください▲

特にカタカナ名のレストランにはその傾向が顕著である。今回の気仙沼で夕飯を食べた店も、パスタありピザありカレーライスあり、さらに海鮮丼やラーメンまであった。考えてみればすごい厨房だなと思う。(追記:一方、道の駅の冷蔵ケースで何気なく売られていたのはイクラたっぷりのはらこ飯、500円也。なんと贅沢)

その気仙沼はまだまだ絶賛工事中だった。いまだに道路の位置も頻繁に変わるそうだ。2年前は数か所あった仮設商店街はすべてなくなり、代わりにおしゃれな商業施設がオープンしていた。一帯5メートルのかさ上げ後に新築されたホテルの窓からは、朝7時からダンプが作業を始めるのが見えた。その周りもオープンしたての市営住宅、真新しいドラッグストアとコンビニ。こうして町並みはどこも同じようなものに均一化していくのだろう。

それに一抹の寂しさなど覚えるのは、部外者の身勝手以外の何物でもないけれど。

移住生活 ブログランキングへ

夜が長くなると酒と考え事が増える

10月というのは、あっという間に季節が進む。

DJAD7765

上旬に両親が来福した。まださほど寒くないが、磐梯吾妻スカイラインの紅葉は始まっている。絶景ドライブをして、この時期の浄土平の得も言われぬ美しさを見せてやりたい。そう考えての日程設定だったが、その数週間前からなんと吾妻山の噴火警戒レベルが引き上げられ、半径1.5キロ内が立ち入り禁止に。スカイラインは全面通行止め、浄土平も行かれなくなってしまった。

しかも、前日まで晴れていたのが両親の到着日から雲行きがあやしくなり、翌日は朝から雨模様である。だれかの普段の心がけがよほど悪いらしい(笑)。それでも温泉宿に2泊し、ごちそうを食べ、3日間多少なりとも親孝行したような気にはなれた。

囲炉裏端

二人とも3年前に大病し、まさか二人だけでまた新幹線に乗って遠出するなど到底できるようになると思わなかった。が、80代になっても人間にはちゃんと回復する力があるのだと知り、あらためて感動する。

といっても、歩くスピード、足元のおぼつかなさ、着替えや食事のときの所作など、身体能力的にはおそらく幼稚園児程度ではなかろうか。幼稚園児と違うのは、これから「できるようになること」ではなく「できなくなること」が増えていくということだ。しかも、「当たり前にできていた」ときの記憶を保ちながら。そのフラストレーションといかに折り合いを付け、受け入れ、ひとつずつ「手放して」いくか。葛藤も含めたその姿を子供に見せてやるという、親の大事な仕事のひとつを、彼らは立派にやってくれている。

AZBX6772

さて、それから2週間で、中通りの低地でもあっという間に紅葉が進んだ。「名所」によくあるイチョウの黄金一色、モミジの紅一色、もきれいだが、どこにでもある里山の紅葉は文字通り「錦」である。緑~黄緑~黄~橙~赤まで、自然の配色は見事の一言だ。先週末はこれ以上ないくらいの晴天だったので、霊山という名勝に出かけた。昨年も一昨年も、この時期に歩いた覚えがある。大した山ではないが、今の私には2時間のハイキングでも十分。なんにしろ、自分の脚で歩けるというのは有難いことだ。

帰りにゆっくりあづま温泉に入っていたら、もう日暮れである。露天風呂から遠く眺める福島市街に灯がまたたき始める。いつまでも見ていられる風景だ。途中、コンビニでもらった商品引換券でビールをゲットして帰宅。秋の夜長、なるべく酒量を増やさないようにするのが目標である。でも酒を飲めるのも健康な証拠。ありがたく今夜もいただきますw


移住生活 ブログランキングへ

極小市民的贅沢

福島市に暮らし始めて2年以上になるが、ここに住んで良かったなぁと思うことが今でもたびたびある。それは「温泉のある生活」だ。思い立ったらパッと風呂道具を持って車に乗り、日帰り温泉へ。極上の源泉掛け流しでひとっ風呂浴び、帰りにちょこっとお茶したり買い物したりしたとしても、全部で3時間あれば足りる。

定番のコースはいくつかあるのだが、最近はまた別のを見つけた。「あづま温泉」という日帰り施設だ。うちから土湯方面へ15分ほど走ると、たまに気晴らしにいく「四季の里」という広い公園があって、その近くに看板が出ているから認知はしていたが、なかなか行く機会がなかった。

看板どおりに国道から曲がり、坂を登っていくとだんだん道が細くなる。あれ、ホントにこれでいいのかな?と思い始めるころ、最後の看板が見えて到着。広い駐車場からは福島市街が一望できる。

この眺めがそのまま露天風呂ビューで、予想以上の気持ちよさだった。源泉は70度という高温らしいが、湯船のお湯はちょうど良く調温されている。飯坂温泉の公衆浴場みたいにアツアツすぎても長湯はできないから、適度な加水は有難い。

この日は昼過ぎまでいちおうPCに向かって仕事していたものの、あまりに天気がいいので外に出たくなり、とはいえ夜は出かける約束があって遠出はできない。じゃ行ったことないあの温泉に行ってみよか、となった次第。平日の中途半端な時間だったせいか空いていて、途中から露天も内湯も独り占めだった。

なんか、贅沢。ま、入湯料350円だから娯楽として特に贅沢なわけじゃないけど、私はこれで十分贅沢だと思える。露天から見下ろす福島市内は、実り始めた田んぼの黄色が印象的だったが、夜景は夜景で(まあ函館や六甲山とは違うだろうが)それなりにきれいだろう。空を仰ぐと、15時を回った太陽はもううっすらと夕方の気配を醸し出している。この時期の陽はつるべ落としとはよく言ったものだな。あーチョー気持ちいー

などと身も心もダラダラに緩まりつつ、一方で平日昼間からこんな贅沢してなんかバチが当たるんでは?と一種「ヤマシイ感」が抑えられないのも、まだ残るサラリーマンの習性ゆえかw

と、ここまで書いて「小市民的贅沢」というタイトルを思いついたのだが、小市民=プチブル、中産階級だとすれば、いまの自分は果たして中産階級なのかと自問する。年収は確実に低所得層の仲間入りをしているので、すでに小市民とも言えないのかもしれない。極小市民かな(笑)

でも、こんな気軽に極上温泉に浸かりに行けるなら、べつに極小でも私にとってまったく不都合はないのである。とにかく健康ならばなんでも良し。Life is good in Fukushima ! ^^/


移住生活 ブログランキングへ

もうすぐ昼夜の長さが同じになる頃

多少涼しくなってきたので、朝のゴミ出しついでの散歩を再開した。コースはいつもの荒川土手である。ゴミを出すのは週に2 、3日なのだが、その間にも土手の景色はどんどん変わっていく。

昨日は、生い茂った草の間に真っ赤な彼岸花を見つけて驚いた。もうそんな季節か。いや、まだちょっと彼岸には早いぞ。その向こうには、いつの間にか萩の花も咲いている。

私が名前を知っている植物はそのぐらいだが、他にも前回は見かけなかった白いのや黄色いのが、其処此処で小さな花びらを広げていた。雑草と一括りにされるぐらいだから、みんな姿形は控えめだが、これが自然というものだろう。花屋で売っているような大きく立派な花は、人間がいじくり回した結果なのだ。

だいたい日本人が大好きな「里山の風景」だって、手付かずという意味の自然とは程遠い。青々とした田んぼなどは「人工的」風景の最たるものだ。あれを「自然」のままにしておいたら、あっという間にこの荒川土手のような草ボーボーになってしまう。

めぐる季節とともに、生えてくる草、枯れていく草。咲き誇る花、萎れていく花。みな時期というものを心得て、それぞれの短い生を淡々と全うしている。

そうありたいもんだね。なんて思うのは、だいぶ歳とった証拠である。

(今回の写真は撮り下ろしではなくフリー素材を借用)


移住生活 ブログランキングへ