余暇のはなし

写真では伝わらないので来てください

浄土平。なんとふさわしいネーミングだろう。何度訪れても飽きない。個人的にベストシーズンは9月中~下旬、リンドウやススキの花が咲くころだが、10月に入った今日も十分美しかった。

この湿原の植物たちといい、 周りの山々の木々といい、 それらの織りなす色のグラデーションはとうてい言葉では表現できない。いくらiPhoneのカメラが高性能でも、その美しさを画像で伝えることは不可能だ。(と言いながら習性でついカシャカシャやってしまうが…)

浄土平に来たらたいてい、道路をはさんで向かいの吾妻小富士に登る。登るといっても整備された階段が数百段、火口を一周して降りてきて1時間かからないのだが、ちょっと運動した気にはなる。なによりこの眺め。

▲吾妻小富士から見た吾妻山(一切経山)。噴煙が前より多い。活きてる山▲

ここが自宅から車で1時間というのが、私が福島を離れられない理由のひとつと思う(笑)

▲浄土平をパノラマで撮ってみたらこうなった▲

去年の今ごろ、老親がなんとか二人で新幹線に乗り、私を訪ねて福島にやってきた。高湯温泉に泊まり、翌日はぜひここに連れてきたいと思ったのだが、その少し前から吾妻山の噴火警戒レベルが引き上げられ、紅葉シーズンを前に観光道路の磐梯吾妻スカイラインが通行止めに。浄土平も立ち入り禁止ゾーンに入ってしまった。浄土を見せてやれなかったのが心残りで今年はリベンジと思ったが、残念ながら彼らはもう電車に乗って遠出するような体力も気力もなくなってきたようである。

今日、一人でスカイラインを走りながら「また来年」という言葉が浮かんだが、飲み込んだ。

たしかに季節はめぐる。産直に行けば「ああ、またこの季節が来たか」と思わせてくれる産物でいっぱいだ。私はあと何回サクランボを食べ、ブドウを食べ、イチジクを食べられるんだろう。

今日が最後でも悔いないように生きないとあかんね。こんな極楽浄土に行けますように…

▲そして人はなぜか石を積む(笑)▲
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ひろしまとふくしま

先々週に行った広島旅行の話を書く。

広島は20年くらい前にも出張でいちど訪れたことがある。そのときは原爆ドームをチラ見しただけで観光する余裕はなかったが、今回は2時間かけて原爆資料館を見学し、翌日は厳島神社のある宮島でほぼ一日過ごした。どちらも世界遺産だ。

原爆資料館は圧巻の内容だったが、東日本大震災被災地の人なら、原爆投下後の焼け野原と津波の翌朝の光景をダブらせる人は多いのではなかろうか。そして、福島に住む者としては「被ばく」という言葉にも敏感にならざるを得ない。原子爆弾による被爆と、原発事故の放射性物質による被曝はまったく違う次元のものだが、世の中一般、なんとなく一緒くたのイメージになっているような気がする。どちらも繰り返してはいけないという点においては同じなのだが。福島県双葉郡にもできる東日本大震災・原子力災害アーカイブ施設はどんな内容になるんだろう。

ところで、東京や京都だけでなく日本全国で外国人観光客が激増しているのは知っていたが、広島も例外ではなかった。へぇと思ったのは、欧米系が多いことだ。私が原爆資料館を訪れた時は、見学者の9割方が外国人、そのうち7割くらいは東アジア以外の人々だったと思う。宮島には日本人のグループも多かったが、それと同じくらいの外国人もいて賑わっていた。

広島市内に2泊の後、そこからローカル線で1時間半余りの尾道にも1泊。お目当ての絶景ルート「しまなみ海道」の一部を走った。走ったといっても、自動車ではなく自転車である。ここでも、ドライブではなくサイクリングしているのはやはり外国人が多かった。「サイクリストの聖地」を謳うだけあって、ルートも各種サービスもすばらしく整備されている。

わが福島市もオリンピックを控えてインバウンド増加を意識しているようだけれども、残念ながら実感として市内の外国人客数は文字通り桁違いに少ない。ま、市内に2つも世界遺産を持つ広島市と比べてがっかりしてもナンセンスだから、福島市は独自のニッチを行くしかなかろう。

福島市の売りといえば花と温泉と果物と磐梯吾妻スカイライン(吾妻山と浄土平)だが、はっきり言って「美しい自然」はどこでもある。花も果物もシーズンが限られるし、食べものには好き嫌いもある。スカイラインだって冬季は閉鎖だ。日本人は人間なら誰でも温泉好きと思っているが、湯船に入る習慣のない国も多い。

ということで、マスを相手ではなくリピータ―獲得狙いのほうが正しい気がするのだが、いかがかしらん。噛むほどに味わい深い地味なふくしま。外国人の前に日本人も来てもらわないとね。

ももりん、がんばろね

初めての宇都宮ギョーザと初めてのタンマガーイ瞑想

おそらく人生で初めて、宇都宮駅で降りて(といっても駅ビル内だが)餃子を食べた。焼き餃子のほかに水餃子、揚げ餃子、さらにパン粉をつけたフライ餃子というのもあった。わが福島市にも円盤餃子という名物があるが、円盤状に並べたプレゼンテーションを可能にするためには「焼き」しかない。さすが餃子のまちを標榜する宇都宮。バリエーションにも工夫があるようだ。久しぶりの肉食で翌日の腹下しを若干恐れつつも、ご当地モノは頂かねばならぬ。水餃子と焼き餃子を食したら、ふつうに美味かった。

惜しむらくはビールが飲めなかったことである。運転する予定があったわけではない。その日の夕方から2泊3日でタイ国のお寺さんが主催する瞑想合宿に参加することになってたのだ。

宇都宮からローカル線に乗り換えて30分、そこから車で10分ほど。ゴルフ場に囲まれた昔の温泉ホテルがいまは「タイ瞑想の湯」という施設になっている。一見ちょっと怪しげな名前だが、タンマガーイ寺院という世界30カ国以上に別院を持つ立派なお寺の運営で、オレンジの僧衣をまとったタイの出家僧たちが瞑想指導してくれる。

といっても、ここは私が自分で見つけたのではない。友人Kさんに誘われて初めて、日本にこんなものができているんだと知った次第。

マインドフルネスとかメディテーションというのは世界的に一種ブームになっているらしいが、日本人が瞑想といったらまずは座禅のイメージだろう。あるいはヨガマットの上で脚を組み、目を閉じて座っているモデルさんの写真もお馴染みかもしれない。私も両方とも体験してみたことはあるが、たいてい眠くなるか脚がしびれて集中できないかのどちらかだ。それへの対処方法の説明もなんだかピンと来なくて、自分から瞑想合宿などに参加しようと思ったことはなかった。

今回、誘われるまま予備知識もなく参加した合宿だったが、結論からいうと、このくらいゆるい感じならいいかも!である(笑)。もちろん南伝仏教の僧侶の戒律は厳しい。けれどもこのタンマガーイ瞑想法の指導そのものは、どんな座り方でもいいし、途中で動いてもいいし、初心者は眠くなったら眠ってもいいという。 むずかしい呼吸法もないし、やたらビジュアルなイメトレのようなことも言わない。 「じっと動かないことが瞑想ではない」「眠ってしまっても、覚めたらまた始めればいい」というのが、なんだか目から鱗であった。

ひたすら心身を緊張から解放し、飛び回る心を徐々に身体の中心に鎮めていく。最後は自分と他の全てのものの幸せと悟りを願う、いわゆる慈悲の瞑想である。これを指導するお坊さまたちがみな柔和でとっつきやすい感じ(といっても女性は触れてはいけないが)なのも、また心地よい。

ついでにいうと、南伝仏教は(日本の大乗仏教諸派よりも)インドの初期仏教に近いはずなのになぜ仏像を礼拝するのか、私は自分で調べもせずただ疑問に感じていたのだが、これもこの機に聞いてみたところ、「神のような存在としてブッダを拝んでいるのではなくて、私たちはブッダが発見した真理を学ぶのだから、先輩として、先生として敬意を表しているのだ」という答えをもらって誠にしっくりきた。

心配した夕飯抜き(寺では正午以降は食べない)も意外につらくなく、かえって朝は身体がすぐ動くということも発見。そして、たった1日半だがスマホの電源を切ってプチ・デジタルデトックスできたのがよかった(したがって写真もない。芝桜の写真は、2日目の午後にみんなで散歩した芝桜公園でスタッフさんが撮ってくれたもの)。わずか2泊3日で何が変わったというわけではないが、なかなか興味深い体験ができ、誘ってくれたKさんには感謝である。

同寺院の東京の瞑想センターでは毎日のように瞑想指導があるそうだ。こういうのが福島にもあったらなあと思う。この8年間、いろんなことがあって人々の感情が大きく揺れ動き、心の中に悲しみだけでなく多くの無念・悔しさ・怒りが澱のように沈んでいる。それを解きほぐして洗い流すには、ストイックな禅の瞑想やヨガ体操系の瞑想もいいのだろうが、こういうだれでもできる穏やかな調心のアプローチこそ有効なように感じる。

そんなことは自分がこの瞑想で悟りを開いてから言え、なのかもしれないけど。

日帰りで樹氷を見に行けますよ

タイトルを「life in fukushima」にしてしまったので、このブログにはなんとなく福島県に関することしか書いてはいけないような気がしていたのだが、改めて考えれば別に県内の話題に限る必要はないんでないの?と気づいたのが割と最近のこと。なので、たまには「福島に住んでると(県外だけど)こういうところにも気軽に行けるよ」的なお話も披露させていただこうと思う。 

この連休中に行ってみたのは、おとなり宮城県の蔵王だ。福島市街の自宅から車で2時間あまりで行かれる。去年の夏には有名な「お釜」を見に行って、帰りは蔵王温泉を堪能する日帰りドライブをした。福島の山も温泉も良いが、宮城だって素晴らしい温泉があるのだよねぇ。それ以来、蔵王は私にとって身近ですてきな観光地になっている。

もっとも、ウィンタースポーツ一切しない、寒いのキライ雪キライな私にとって、いくら温泉が素敵でも冬の蔵王に用はないはずだった。だが、ふと手にしたチラシに「絶景の蔵王樹氷号」というバスツアーの案内が。そうだ、寒いからと家にこもっていたらいかん、いっそ寒さと雪を積極的に楽しもうではないか、と参加する気になったのである。

仙台駅から観光ガイドさん付の大型バスに乗り、途中1時間弱のランチ休憩を挟んで3時間で蔵王温泉街に着く。そこからロープウェイを乗り継いで、標高1661mの地蔵山頂駅に降り立つと・・・

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真っ白でほとんど何も見えない(笑)。パンフに載っているような、青空の下にくっきり浮かび上がったスノーモンスター(樹氷)たちの姿は残念ながら見られなかったが、それでもスキーやスノボに全く縁のない私にとってこの白銀の世界はまさに非日常。あたりは真っ白でも幸い吹雪いてはおらず、近づけばモンスターたちの豪快な姿も写真に納めることができた。

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ucuk3564「どうせ寒いところにいるなら、いっそ寒さと雪を積極的に楽しもうではないか」という発想のもとに参加した雪国ツアーは、実は福島に来てこれが初めてではない。3シーズン前は福島県の最奥地、只見の雪まつりのバスツアーに参加したことがある。そのときの正直な感想は、あまりに寒すぎて「一度は見ておくべき風景だけど一度でいいかな」であった。(住んでいる方、ごめんなさい)

そして今回の樹氷の感想は・・・うーん、やっぱり一度でいいかな(笑)

連休中だったこともあってかスキー場は人がいっぱい。話には聞いていたが本当に外国人であふれていた。ロープウェイも東京の通勤電車を彷彿とさせるギュウ詰めで、閉所恐怖症気味の私は軽くパニックになりそうだった。もしもっと空いていて、そしてもっと晴れているときだったら、また来たいと思うかもしれないけれど・・・

帰り、これまた人でいっぱいの仙台駅ビルをブラプラしていると、蒲鉾屋さんのイートインコーナーを発見。つい一杯(3杯)飲んでしまう。福島の日本酒もいいけど、宮城にもおいしいお酒があるのだよねぇ。ほろ酔いで新幹線に乗れば、眠る間もなく20分で福島に到着。人が少なくてホッとする(笑)。

img_e6611仙台市の人口は108万。震災後に増えたと聞いたが、改めて統計を見てみるとその前からずっと右肩上がりなのであった。かたや福島市の人口は去年ついに28万を切った。東北で不動産投資するならやっぱり仙台だよなと思いつつ、その仙台にほど近く、東京からもそう遠くなく、かつ混雑していない我が福島市こそ穴場なのでは?と独りごちているのだが。

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極小市民的贅沢

福島市に暮らし始めて2年以上になるが、ここに住んで良かったなぁと思うことが今でもたびたびある。それは「温泉のある生活」だ。思い立ったらパッと風呂道具を持って車に乗り、日帰り温泉へ。極上の源泉掛け流しでひとっ風呂浴び、帰りにちょこっとお茶したり買い物したりしたとしても、全部で3時間あれば足りる。

定番のコースはいくつかあるのだが、最近はまた別のを見つけた。「あづま温泉」という日帰り施設だ。うちから土湯方面へ15分ほど走ると、たまに気晴らしにいく「四季の里」という広い公園があって、その近くに看板が出ているから認知はしていたが、なかなか行く機会がなかった。

看板どおりに国道から曲がり、坂を登っていくとだんだん道が細くなる。あれ、ホントにこれでいいのかな?と思い始めるころ、最後の看板が見えて到着。広い駐車場からは福島市街が一望できる。

この眺めがそのまま露天風呂ビューで、予想以上の気持ちよさだった。源泉は70度という高温らしいが、湯船のお湯はちょうど良く調温されている。飯坂温泉の公衆浴場みたいにアツアツすぎても長湯はできないから、適度な加水は有難い。

この日は昼過ぎまでいちおうPCに向かって仕事していたものの、あまりに天気がいいので外に出たくなり、とはいえ夜は出かける約束があって遠出はできない。じゃ行ったことないあの温泉に行ってみよか、となった次第。平日の中途半端な時間だったせいか空いていて、途中から露天も内湯も独り占めだった。

なんか、贅沢。ま、入湯料350円だから娯楽として特に贅沢なわけじゃないけど、私はこれで十分贅沢だと思える。露天から見下ろす福島市内は、実り始めた田んぼの黄色が印象的だったが、夜景は夜景で(まあ函館や六甲山とは違うだろうが)それなりにきれいだろう。空を仰ぐと、15時を回った太陽はもううっすらと夕方の気配を醸し出している。この時期の陽はつるべ落としとはよく言ったものだな。あーチョー気持ちいー

などと身も心もダラダラに緩まりつつ、一方で平日昼間からこんな贅沢してなんかバチが当たるんでは?と一種「ヤマシイ感」が抑えられないのも、まだ残るサラリーマンの習性ゆえかw

と、ここまで書いて「小市民的贅沢」というタイトルを思いついたのだが、小市民=プチブル、中産階級だとすれば、いまの自分は果たして中産階級なのかと自問する。年収は確実に低所得層の仲間入りをしているので、すでに小市民とも言えないのかもしれない。極小市民かな(笑)

でも、こんな気軽に極上温泉に浸かりに行けるなら、べつに極小でも私にとってまったく不都合はないのである。とにかく健康ならばなんでも良し。Life is good in Fukushima ! ^^/


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