私は文章を書くとき、特段の理由がなければ常体(だ・である)を使う。敬体(ですます)よりコンパクトだし、なにより形容詞で文章を終わらせられるのが便利で、語尾のバリエーションがつけやすい。たとえば、この文章を敬体で書くと、
「なにより形容詞で文章を終わらせられるのが便利で、語尾のバリエーションがつけやすい(の)です。」
となる。「つけやすい」で終われないので「です」や「のです」を付けるが、これが続くとなんとなく稚拙でカッタルイ文章になりがちだ(と私は思う)。

でも、最近の若い人たちが発信している「読まれるブログの書き方」的な指南をいくつか読むと、「だ・である」よりも「です・ます」のほうがベターだと書いてある。なぜなら、「だ・である」は断定する言い方で偉そうに聞こえるから、だそうだ。
え? じゃ「吾輩は猫である」は断定で、「吾輩は猫です」は断定じゃないのか? いつから日本語はそういうことになったのだろう。
先般も、一問一答形式のインタビュー記事でイントロの地の文からすべて常体で書いたところ、インタビュー相手の方から、「自分の発言部分はですます体に変えてほしい」と依頼を受けた。理由は「上から目線に感じるから」。
もちろん敬体のほうが柔らかい印象になることはたしかで、文章の目的・内容によってそのほうがベターだと思えばそうするが、伝えている事実は変わらない。そのインタビューの場合、発言内容が大いなる自信と熱量を感じるものだったので、むしろ常体のほうがニュアンスまで伝わると思ったのだが、感じ方は人それぞれなのだなと、あらためて思った。
このブログも「偉そう」に聞こえてたら申し訳ないけど、それも含めてワタシなのでご容赦を。日本語って難しいネ。