信夫山を背負い、遠くに吾妻連峰を望むロケーション。緑の芝生が広がる前庭。平成築ではなかなか見られない、天井が高くゆったりとした贅沢な造りーー。福島県立図書館が大好きだという話はこのブログでも何回か書いている。が、実はその図書館にも唯一の難点があった。それはトイレ。4つある個室のうち3つが和式だったのだ(それでも洋式が1つあったのは他の昭和の県立施設よりはマシだったのかもしれないが)。

それがこの度ついに和洋比率が逆転し、洋式が3つになった!!新しい洋式にはちゃんとウォシュレットもついている。県のサイトを見ると昨年12月に「図書館トイレ洋式化工事」の業者落札があったみたいなので、きっと年度内にはリニューアルが終わっていたのだろう。先日久しぶりに利用してこの快挙を発見したときは、思わず「おぉ!」と声を上げた。もっとも駅のトイレと違って並ぶことなどないので、唯一の洋式が空くのを待たねばならないという事態はまずなかったのだが、それでもこの和洋比率逆転はなぜか嬉しい。やはり「チョイスがある」ということは気分的に違うのだ(たぶん)。逆に、なぜ1つだけ和式を残したのかは謎だが、おそらく公共施設ならではの真っ当な理由があるのであろう。
さて、その図書館へ行く道の途中、住宅街の中に小さな店がある。外から中が見えにくく入りやすい店構えとは言えないのだが、入口に掲げられた「コーヒー」「ジャズ」という控えめな文字がずっと気になっていた。一昨日、思い切って扉を開けて入ってみると、カウンターの中には初老のマスターが一人。想像どおりの空間だった。8人も入れば超満席の店内には、ジャズの名盤(もちろんレコード)とアンティークな小物が並ぶ。といってもアングラな雰囲気はない。
看板どおりにコーヒーを頼むとステンレスのポットで出てきた。これは長居して良いということだな(嬉)!こういう店は基本ドリンクだけかと思ったらパスタやドリアもできるらしい。なんかおいしそうな気がする。が、あいにく食事は済ませた後だったので、3種類あるケーキのうち「かぼちゃ」をオーダー。これはさすがに仕入れ品だろうと思い、よくあるオレンジ色のカボチャプリン系を予期していたら、違った。いかにも自家製のパウンド系で、しかもほんのり温かい。そして甘すぎない。ホイップクリームが添えられ、さらに「これをかけるとおいしいですよ」という黒蜜シロップも。かけたら本当においしかった。
さっき図書館で借りてきた本を読みつつ、ポットから2杯目を注ぐ。先客さんが帰ったあと、そろそろマスターと一言二言交わそうかと思ったところへ、続けて2組お客さんがやってきた。そうか、なかなか繁盛しているんだな。お話はまた次回の楽しみにとっておこう。
生きていれば悲しいこともあり嬉しいこともあり。どれだけささやかでも、ひとつひとつ味わわなければ。
洋式が3つ 嬉しい気持ちわかります。
新しい施設ができても、和式が1つあるというのが多いような気がします。
なんでかね~と思っております。
ジャズ喫茶ですか?
30数年前は結構ありましたよね。
ゆったり寛げそうな感じが伝わってきます。
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お読みいただきありがとうございます。「和式残し」、衛生的な理由で和式がいいという方もまだいらっしゃるのかも…。ジャズ喫茶という名称自体、もうあまり聞かなくなりましたね。昭和が懐かしい世代、お互いがんばりましょう^^/
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