刷り込み

先月初めの話だが、生まれて初めて鮫川村というところへ行った。さて、それは福島県のどこでしょう?(地図は県庁のホームページから拝借)

日本で三番目に大きい福島県には59の市町村があるが、ご覧のとおり各自治体のサイズはかなりバラついている。昭和41年に14市町村が合併してできた最大の「いわき市」なんか単体でひとつの「地方」を形成している一方、県中・県南の境あたりには小さな自治体が密集している。(ついでに言うと、この地図では白河市の市名だけ「県南」の文字に隠れてしまい気の毒である。)

世の自治体合併の潮流に乗ることを拒否ってきたこれら小さな町村は、同じ福島県民からしても「どこそれ?」な場合が多い(すいません)。今回私は某団体の取材を頼まれ、もらった資料に所在地が福島市と書いてあったので安心していたら、話を聞くべき相手は鮫川村にいるとわかり、あわててgoogle map様のお世話になった次第。

で、みなさん鮫川村の場所は発見できましたか?

答えは、いわきと接する自治体のうちのいちばん南である。我が福島市からは途中まで高速を飛ばして120分。いちおう比較しておくと、新幹線で東京-福島間は最短90分である。

初めて訪れた鮫川村は、阿武隈の山間にある、いわゆる鄙びた山村だった。阿武隈山地は、上の図でいうとピンクの中通り地方と黄色の浜通り地方の境の一帯に南北に延びる。平均標高が500メートル程度だそうで、山地ではなく高地と呼ばれることもある。日本百名山もなく有名な温泉もなく取り立てて景勝地もなく、はっきり言って地味。日本全国どこにでもある「いわゆる鄙びた山村」の風景が広がっている。かたや吾妻連峰に浄土平、磐梯山に猪苗代湖に五色沼、さらに数多の極上温泉が点在する磐梯朝日国立公園が、観光名所として「非日常の自然」とすれば、阿武隈は人々の暮らし、農林業が営まれる場としての「日常の自然」である。

それもまた、いい。車を走らせていて気分は高揚しないが、なんとなく表情筋が緩む感じ。実際、この一見どこにでもある山村の風景がいい、という理由で阿武隈地域にIターンUターンした人たちを私は複数知っている。

しかし、不思議だ。こういうのが日本人にとって「心の原風景」などと言われれば、京浜工業地帯の真ん中で生まれ育った私でも「なるほど、そうだ」と感じてしまう。一体どこでどう刷り込まれたのか・・・

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