福島市をついに「地元」と表現した日

先週、ひと月ぶりに県立図書館に行ったら、ノーベル文学賞歴代受賞者の作品コーナーが特設されていて、カズオ・イシグロの本も何冊か並んでいた。その中に原語のペーパーバックがあったので、久しぶりに英文で小説を読む。イシグロさんを読むのは初めて。文章としては難しくないのであっという間に読めたが、 やはり文学作品というのは 、無機質なニュースなどとは違い、機微というか、ニュアンスの難しさも含めて味わいがありますなぁ。

で、今日その本を返しに行ったついでに寄ってみたのが、如春荘という場所。図書館の隣の県立美術館の目の前にあるのだが、知人のSさんのfb投稿で知るまでその存在に全く気づいていなかった。

なんでも、いまの県立美術館の場所には以前、福島大学の経済学部があったそうだ。この如春荘は、学生さんたちが集う学生会館的な施設だったらしい。1937年(昭和12年)築、ということは私の母と同い年だ。広い縁側のある純和風の平屋。欄間も床の間もシンプルながら意匠を凝らしてあり、見る人が見れば貴重な建築物のはずである。それが昭和54年の大学移転とともに徐々に使われなくなっていき、ほぼ空き家状態に。それを残念に思う有志の人たちが活用を考え始め、去年の秋から月に一度「縁側喫茶」というのをやっているという。

今日はちょうどその「縁側喫茶」の日だった。チラシを見ただけでどんな催しなのかよくわからないまま、ふらっと訪ねてみたところ、なんだかとっても癒されてしまったのである。

Sさん以外は初対面の人たちとコタツに入り、コーヒーと干し柿を頂く。よくあるネットワーキング系のイベントは大の苦手なのだが、あらゆる意味で「下心」がない人たちとの会話はただただ楽しい。改めて、地元・福島市にもいろんな人がいるんだなあと思った。

こんな感想を持つということはつまり、私は自分と同じ街に暮らしている人たちをよく知らないということである。四半世紀の「社縁」生活から良くも悪くもフリーになったのだから、そろそろ地縁の世界に足を踏み入れてもいいのかもしれない。

それにしてもあの居心地の良さは、むかし大勢の学生が集った如春荘という場所の力もあったんだろうな。ほんとうに、これから活用が進まなければ勿体ないと思う。

真冬のコタツも良いが、本当の縁側喫茶の季節が楽しみだ。

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