3連休は東京から友人2人が遊びに来てくれた。1泊目は土湯温泉、2泊目は我が家にホームステイ。あいにくの雨模様だったが、女3人集まればどんな天気でもノー問題である。
どこに連れて行こうかと迷った結果、やはり磐梯吾妻スカイラインのドライブ~浄土平~五色沼という定番コースに落ち着く。そこにカフェめぐり・温泉めぐり・産直めぐりをプラスして、ツアープランナーとして我ながら充実の3日間になった。
福島県の場合、こういう観光資源はどうしても中通り(ざっくり新幹線の沿線)から西側、会津方面に集中している。逆の東側、あぶくま山地から浜通り方面は、どうもイマイチなのだ。アクセスが悪いというのもあるが、せっかくの休みにわざわざ来てくれた客をぜひ連れて行きたい、と思う場所が見当たらない。アクアマリンとかハワイアンズとかの大型施設があり、温泉もあるいわき市は別として、そこから北の海沿いは、観光資源的には元々たいへん地味なのである。す
今、あえて言えば「福島第一原発」というスポットがある。周辺は5年半以上も避難指示が継続中という「非日常空間」だ。が、ここを観光資源とみなせるようになるまでには、まだだいぶ時間がかかるだろう。
もちろん友人は、私がそういう被災自治体の手伝いをしていることは知っている。彼らが原発事故のその後に興味があったり、被災地の様子を見たい、と言えば、避難区域を含めて喜んで案内するつもりであったが、そういうリクエストがないのに連れていく場所ではなかろう。
でも、我が家の本棚にあるフクシマ関係の本に興味を持って借りていったKさんが、次に来てくれるときには、避難指示が解除されたての町や村をめぐる旅もアリかもしれない。もう一人、全国を旅慣れているMさんも中通りの自然の豊かさに感動していたので、次回は気候も産物も違う浜通りを体験したいと思ってくれるかもしれない。
そういう意味でも、福島県全体の観光はリピーター狙いが正しいのだろう。観光地とは別の、土地の豊かさというのは、一度訪れるとじわじわと感じるものだ。実際、原発事故前まで福島は、移住希望地ランキングで長野県とトップを争っていたそうである。それどころか、事故後も2014年までは4位をキープしていたんだね(ふるさと回帰支援センターのまとめ)。踏みとどまった理由としては、会津方面の人気が根強いため、とある。
それが2015年はいきなり16位にダウン。この年、特に20~30代の移住相談件数が飛躍的に伸びたんだそうで、その結果がこれだとすれば、やはり原発事故の影響なのか、あるいは若い世代が会津に興味を示さないのか…。
それならいっそ40代以上に的を絞ってはどうだろう?今回の女3人旅も平均年齢は50歳。きっとリピートしてくれると思うのだが。